暮らしが豊かになる花の飾り方
Q: せっかく活けた花をきれいに飾るには、どうしたらよいでしょうか?
A: 飾る場所の空間のアレンジも必要です。
空間のアレンジとは?
きれいなアレンジも、飾る場所にマッチしていなかったら、ただの花があるだけ状態になってしまいます。。。
それは、どうしてでしょう? 飾る場所がきれいに整頓されていないことがありますね。アレンジを習って家に持って帰る方は、まずはきれいに家を片付けることから始める人も多いようです。はっと気づいたら、置く場所が整っていなかったと。
つい、いつものくせで生活習慣が丸出しの状態だと、そこにいくら綺麗な花を飾っても台無しです。まずは、そのアレンジが綺麗に映えるように、環境を整えましょう。狭い場所だからしょうがない。。。では、せっかくの花がかわいそうです。
不思議なことに、私は、綺麗に掃除をして部屋や場所がすっきりすると、無性に花を触りたくなります。花を飾るために掃除をする場合と、その反対に、掃除をしてきれいな状態になると、とたんに花を飾りたくなる、という場合と両方あります。そんなときに、買い置きの花や庭の花があるとほっとしますが、そうではないときには、寂しくなります。
やはり、花は綺麗な場所に活けてあるのがいいですね。花を目立たせてあげる、というのが一番よいです。
花をインテリアの一部として飾るポイント
花の色合わせのページでご紹介した、リアトリス・アイズマンは、もともとはインテリアの色合わせの達人です。花を部屋に飾るときには、小物も上手に配置しましょう、と提案しています。
花は、まずは部屋の色やカーテン、インテリアの色使いにマッチしていることが重要です。その上で、アレンジメントを置く場所の近くに、そのキーカラーとなる一つの色がはいっている小物を、何気なくそのアレンジメントのそばに一緒に飾るとよいそうです。
例えば、ピンクの花を飾るとしたら、そのそばには、飾り物のピンクのキャンドルがあったり、コップがあったり。。。その空間を同じ色のグループでまとめると、ただ花を飾るというのではなく、インテリアの一部として花を扱うことになります。
この方法も、一つの飾り方と言えましょう。かわいい小物をたくさん集めている人は、このような場所のアレンジをするのも楽しいですね。
私の花のエピソードより・・・<究極の花飾りの話>・・・
ここで私は、昔読んだ家庭雑誌の中に載っていた、往年の大女優、高峰美枝子さんを思い出します。高峰さんは有名でしたから、知ってはいましたけれども、その雑誌で見た1ページの印象から、すっかりファンになりました。もうお亡くなりになられたけれど、昔はスクリーンの女王だったのではないでしょうか。大変上品で、美しい方でした。
このことが、私が花を始めた原点ではないか、と時々思い返しております。
それは、何かと言うと。。。高峰さんの花の捉え方に感動したということ。
そのページには、高峰さんのすっきりとした部屋とご自分でアレンジされたという、大きくてゴージャスなアレンジメントが掲載されていました。それは、素敵なアレンジでした。
高峰さんは、「私の部屋には、飾り物は何も必要ではありません。毎週、生のフレッシュできれいな花が、私の部屋の最高の飾り物ですから」と。
高峰さんは、毎週、フレッシュな花をご自宅に取り寄せて、ご自分で活けていらしたそうです。
その花は、すごく豪華でたくさんの花揃いだったことは覚えています。それは、床置きアレンジと言って、台の上ではなく直接床に置くもので、大きくて伸びやかなアレンジメントです。
その何もがとても衝撃的でした。その写真から、私はしばらく目を離せませんでした。私がまだ20代最初のころだったかもしれません。その写真の花は、大きなゆりが入っていたのは覚えていますが、ほとんど花の知識がないときでしたから、花合わせはほとんど覚えておりません。
「私もアレンジメントを習いたい、あんなふうな綺麗な部屋を持ちたい。。。」それは、私の大きな夢となりました。
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これは、かなり昔のことです。私がフラワーアレンジメントを始める前の話ですから。しかし、今でも鮮明にその1ページのことは、覚えています。
すっきりとした、何の絵も置物も家具もない、白くて清潔な部屋。そして、その部屋に大きくて豪華なアレンジメント。花の色がとにかく映えている。高峰さんのエレガントな微笑み。生活の豊かさを感じさせてくれる言葉。。。
花はこうして飾るもの、と私にお手本を見せてくださったような気がします。綺麗なすっきりとした空間に、色豊かな花と季節のもの。私の目指すフラワーアレンジメントとなりました。
私にとっては、フラワーアレンジメントに対する最初のイメージが高峰さんのあの花!ですから、そんなアレンジメントがしたくて今に至っているわけです。とにかく豪華で大きくて、花がいっぱいで、豊かな花揃い。憧れのアレンジメントです。
花以外、何も置かない、何もいらない。花が究極の主役の家。細心の注意と敬意をはらって、丁寧に、丁寧に扱いながら活ける花。こういう贅沢の仕方もあるのか・・・と教えていただいた想いです。